MUB vs. FBND:税金を意識する投資家向けの2つの地方債ETFの比較

債券ファンドの選択において、投資家は税制上の優遇措置と収益性の間でしばしば難しい判断を迫られます。地方債ETFの分野には魅力的な選択肢がありますが、すべてのファンドが同じではありません。よく比較されるのは、iSharesのナショナル・ミュニシパル・ボンドETF(NYSEMKT:MUB)とFidelityのトータル・ボンドETF(NYSEMKT:FBND)です。どちらもインカム志向の投資家にアピールしますが、その性格は大きく異なります。

ファンド概要:地方債ETFの現状

MUBは、税金免除の地方債に特化したETFとして開始され、州や地方の発行体からの投資適格債券6,163銘柄を保有しています。一方、FBNDはより広範な債券市場にアプローチし、地方債の比率は高いものの、エネルギーや企業信用にも大きく配分しており、多様化されたがリスクも高めの構成となっています。

この哲学の違いは非常に重要です。MUBは税効率を重視した地方債に特化したETFであり、税制優遇を最大限に活用します。一方、FBNDは一般的な課税対象の債券ファンドであり、地方債も含むものの、より広範な債券を組み入れています。地方債ETFに特化した投資を求める投資家にとって、この違いはリスクとリターンの全体像を左右します。

経費率と利回りの比較:どちらの地方債ETFがより高利回りか?

コスト構造を見ると、両者の差は明らかです。MUBの年間経費率はわずか0.05%であるのに対し、FBNDは0.36%と7倍の差があります。長期投資を考えると、このコスト差は大きく積み重なります。

しかし、収益面では異なる結果が見えます。2026年1月末時点で、FBNDの配当利回りは4.7%に対し、MUBは3.13%です。過去1年間の総リターンも、FBNDが2.6%、MUBが1.22%と上回っています。ただし、MUBの現在の株価はFBNDの約2倍であるため、絶対的な配当金額は低い利回りにもかかわらず、多くの投資家にとっては高い配当を得られる状況です。

この「低コスト高利回り」と「高コスト低利回り」の対比は、地方債ETFの選択において重要なポイントです。投資家は、FBNDの収益優位性が年間費用の高さを正当化するか、それともMUBの低コストが長期的な価値をもたらすかを判断しなければなりません。

これらの地方債ETFのポートフォリオ内容

資産の質には大きな差があります。FBNDは4,459銘柄を保有し、そのうち67%がAAA格(最高信用格付け)です。ただし、BBB格の低格付け債券にも最大20%を配分しており、高利回りを狙いつつリスクも取っています。

一方、純粋な地方債ETFであるMUBは、投資適格の地方債に集中しています。約61%がAA格で、残りはAAAとA格の債券に分散しています。米国政府債には全く投資していません。これにより、MUBは地方債発行体に限定した構成となっています。

この構成の違いが利回りの差を生んでいます。FBNDは企業信用や低格付け債券の比率が高いため、クーポン利率も高くなります。一方、MUBは税制優遇の恩恵を受ける地方債に限定されているため、一般的に利回りは低めですが、その分税制上のメリットがあります。

5年間のリスクとパフォーマンス:地方債ETFのボラティリティ

2022年の市場低迷からの回復過程で、これらの地方債ETFのリスクプロファイルの違いが明らかになっています。MUBは過去5年間で最大ドローダウンが-11.88%だったのに対し、FBNDは-17.23%とより大きく下落しました。5年前に1,000ドル投資した場合、MUBは約922ドルに成長したのに対し、FBNDは約862ドルにとどまります。これは、FBNDの高利回りと高いボラティリティの反映です。

ベータ値(市場全体に対する価格変動の度合い)も、MUBが0.24に対し、FBNDは0.29と、地方債ETFの中ではMUBの方が安定性が高いことを示しています。運用資産規模も差があり、MUBは418.5億ドル、FBNDは239.1億ドルを管理しています。

税制上のメリットと投資家のジレンマ

MUBの最大のメリットは税金免除です。連邦所得税はもちろん、居住州の所得税も地方債の利子にはかかりません。高所得者や高税率の層にとっては、この税優遇が実質的なリターンを大きく高めます。

一方、FBNDにはそのような税制上の優遇はありません。課税対象の債券であるため、利子所得はすべて連邦税の普通税率で課税され、実質的なリターンは25%〜40%減少する可能性があります。

ただし、税制の優遇だけが全てではありません。もしも金利が大きく低下した場合、債券価格は逆に上昇します。現状の市場環境では、急激な価格上昇よりも、緩やかな回復が見込まれています。外部ショックや予想外のFRBの政策変更がなければ、短期的な大きな利益は期待しにくい状況です。

これらの地方債ETFの選択基準

安定した収入を求め、コストを抑え、リスクを低く抑えたい保守的な投資家には、MUBのような地方債ETFが適しています。経費率0.05%と税免除のメリットは、長期的に見て大きなアドバンテージとなります。

一方、より高い収益とリスクを受け入れ、現在の高利回りを重視し、税率が比較的低い層にはFBNDが魅力的です。4.7%の利回りは、経費率や税負担を考慮しても魅力的です。

結局のところ、地方債ETFの選択は、あなたの税率、リスク許容度、収入目標に大きく依存します。どちらのファンドも一長一短があり、投資家のプロフィールに応じて使い分ける必要があります。

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