ドル安の追い風を受けて金価格は、技術的な強さを維持…PCE発表前の変動性に注目

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技術的には依然として上昇傾向

XAU/USDは水曜日のアジア取引で4,300ドルを上回る水準に達し、7週間ぶりに高値圏を取り戻した。4時間足チャートでは100日指数移動平均(EMA)の上でサポートされており、ボリンジャーバンドは拡大傾向を示している。14日RSIが中心線の上に位置し、短期的なモメンタムは健在だ。

上値抵抗線は4,305ドルのボリンジャーバンド上限である。この水準を突破すれば、12月15日の高値4,350ドルへの再挑戦の可能性が高まる。その上で追随買いが続けば、史上最高値の4,381ドルまで視野に入る。逆に調整局面が始まる場合、最初のサポートは12月16日の安値4,271ドル、その下は100日EMAの4,220ドルが防衛線となる見込みだ。

米労働市場の弱さとドル圧力

金価格の上昇を促す背景はドルの弱さにある。11月の米労働統計局発表によると、非農業部門雇用(NFP)は64,000人増加し、10月の105,000人減少から改善されたものの、市場予想(50,000人)をわずかに上回っただけだ。

特に注目すべきは雇用の質だ。失業率は4.4%から4.6%に上昇し、平均時給の上昇率は前月の0.4%から0.1%に急激に鈍化した。小売売上高も10月は0.0%の横ばいとなり、コンセンサス(0.1%)に届かなかった。これらの兆候は米経済の冷却局面を示唆し、FRBの追加金利引き下げの可能性を完全には排除しない雰囲気を形成している。

金利が下がるほど、無利子資産である金の機会費用は減少し、これは金価格にとってプラス材料だ。FRBは先週の政策会合で25bpの利下げを実施し、今年3回目の利下げとなった。ただし、2026年の追加利下げの可否についてはFRB内部で意見が分かれている。FRB委員の中央値は来年1回の利下げを示すが、一部は追加利下げを否定している。

水曜日のFRB発言から金曜日のPCE発表まで、連鎖的な変数

今後の変数は一つや二つではない。水曜日にはニューヨーク連銀総裁ジョン・ウィリアムズとアトランタ連銀総裁ラファエル・ボスティックの発言が予定されている。彼らがハト派的なトーンを強めれば、ドルが反発し、金に短期的な重荷となる可能性がある。

さらに重要なのは、木曜日の米国11月消費者物価指数(CPI)の発表と、金曜日の個人消費支出(PCE)の発表スケジュールだ。PCEの発表は、FRBが実際にどれだけ金利を引き下げられるかを決定する重要な根拠となるため、市場の金利期待を完全に再編成する可能性が高い。

現在、市場は来年2回の利下げを見込んでおり、CME FedWatchの基準では1月会議での金利据え置き確率は75.6%となり、一週間前の70%から上昇している。これは労働市場の弱さが徐々に認識されつつある過程を反映している。

トランプ次期FRB議長選出も変数

ウォールストリートジャーナルの報道によると、ドナルド・トランプ米大統領は水曜日に次期FRB議長候補に関するインタビューを行う予定だ。FRB議長交代のタイミングでの政策方針の変化も、市場心理に影響を与える要素だ。

結局、金価格は技術的な強さを維持しつつ、4,305ドルの水準を中心にボックス圏を形成する可能性が高い。PCE発表とFRB発言という二つの大きな変数を経て、次の方向性が決まる見込みだ。

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