ビットコイン週間予測：ビットコイン価格が90,000ドルを割り込み、クリスマスラリーはまだ見えず

ビットコイン価格は90,000ドル付近で推移し、反発のきっかけを待っている。
12月、機関投資家はビットコインETFから2.5億ドル以上を引き揚げた。
ビットコインのドミナンスは60%を下回り、年末の反発は遅れる可能性がある。

ビットコイントレーダーは年末の反発を期待し、価格が再び100,000ドルの大台を突破することを目指している。年初と比べると、ビットコインを基盤とした投資商品は資金流入の減少と機関投資家の需要低下の中で苦戦している。

機関投資家の資金流が細る中、市場は利下げ観測やその他のポジティブな規制進展があっても、ビットコインの上昇局面が終盤に近づいていることをより明確に認識しつつある。本分析では、今後ビットコイン価格を押し上げる可能性のある三つの重要なカタリストを特定し、来週注目すべき主要な価格水準を挙げる。

- ビットコイン三大カタリスト
ビットコイン保有者は次の三つの要素に注目し、次の価格上昇のタイミングを見極めている：米国ビットコインETFへの機関資金流入、ビットコインのドミナンス、トレーダーが実現した純利益/損失。

- 機関投資家の資金流入
ビットコイン価格の上昇は、米国ビットコインETFへの大規模な機関投資家の資金流入に大きく支えられている。Strategy (（旧MicroStrategy)）のような大手はビットコインをバランスシートに組み入れ、米国の他の大企業にも追随を促した。機関投資家の需要は、ビットコイン価格が100,000ドル、さらには過去最高値の126,000ドル超を目指す上での重要な要因である。主要な参加者が徐々に市場から撤退し、機関投資家の需要が減少する中、ビットコインは90,000ドルの重要なサポート水準を維持するのが難しくなっている。

ビットコインETF資金流入 | 出典：Farside

100,000ドルは長らくビットコインのサポート水準だったが、今ではレジスタンスに転じている。価格がこの水準を明確に上回って引ければ、強気相場の回帰を示唆する可能性がある。

Farsideのデータによると、12月のビットコインETFは約2.5億ドルが償還された。

資金流入の減少とともに、ビットコインの重要性や需要を測る他の指標、たとえばビットコインのドミナンスも低下している。

- ビットコインのドミナンス低下は強気相場の終焉か？
ビットコインのドミナンスは、他の暗号資産(（アルトコイン)）と比較したビットコインの市場地位を示す。12月6日時点でビットコインの時価総額が1.79兆ドルに低下したことで、ドミナンスも下落した。記事執筆時点でビットコインのドミナンスは59.31%で、60%を下回っている。

ビットコイン・ドミナンス推移 | 出典：TradingView

ドミナンスは59%以上で、過去2か月の大半はこの水準を維持していた。ドミナンスの回復は、ビットコイン反発のカタリストとなり得る。

通常、ビットコインのドミナンス低下は強気相場の終焉を示唆し、その後資金は他のアルトコインやトークンに流れる。

- トレーダーが損失を出してビットコインを売却
市場の状況を判断する上で最も注目すべき指標は、オンチェーンで実現された利益/損失である。Santimentのオンチェーン指標は、トレーダーがある日に記録した純利益または損失を追跡している。11月と12月の複数の取引日で、この指標はトレーダーが損失を出していることを示し、市場にパニックやビットコインの売り圧力が強まっていることを意味する。

この指標が大きくマイナスに振れると、ビットコインの価格トレンドが転換することが多い。継続的な利益確定の後、トレーダーは現在ビットコインのポジションで損失を計上しており、ビットコイン価格がさらに下落すると予想する可能性が高い。

ビットコイン・ネットワーク実現利益/損失 | 出典：Santiment

大きな損失が続けば、今後数週間の価格にはネガティブな影響を及ぼす可能性がある。

上記三つのカタリストに加え、マクロ経済の動向や利下げ観測もビットコイン価格に影響を与える。