アメリカの宅配大手DoorDashは本日、新しいタスクアプリ「Tasks」をリリースし、配達員が日常生活の行動を撮影したり音声を録音したりすることで、AIモデルやロボットが現実世界を理解できるよう支援しています。この取り組みはギグエコノミーに新たな収入源をもたらすとともに、多くの産業が現実世界からデータを収集し、自社のモデル訓練や外部への販売に活用する傾向を反映しています。
(ポケモンプレイヤーが企業のために3億枚の写真を訓練し、「AI世界モデル」を構築、宅配ロボット産業を支援)
DoorDashは「Tasks」を導入:配達員が日常のタスクから追加収入を得る
DoorDashは、数百万人の配達員が追加のタスクを引き受けて報酬を得られる独立したアプリ「Tasks」を発表しました。これらのタスクは、衣服の折りたたみ、皿洗い、ベッドメイキング、さらには植栽の剪定など、多岐にわたる日常活動を含み、報酬はタスクの複雑さや所要時間に応じて数十ドル程度となっています。
また、プラットフォームは音声録音のタスクも提供しており、特定の言語で自然な会話を行うことで音声モデルの訓練に協力します。
DoorDashは、これらのデータがAIやロボットの物理世界理解能力を向上させ、自動化やスマートシステムの開発に役立つと述べています。同社は現在、これらのタスクは小規模なテスト段階にあり、今後はタスクの種類や適用シーンを段階的に拡大していく予定です。
文字や画像から現実のデータへ:AI訓練のニーズは実体行動へと進化
近年、AIの訓練データは文字や画像から、より複雑な実体行動データへと拡大しています。DoorDashの新計画はこの流れの一例です。実環境での人間の動作や操作手順、言語インタラクションを収集することで、AIモデルは人間の行動をより正確に模倣できるようになり、例えば正しく食器を食洗機に入れる方法や家庭内の物品配置を理解することが可能になります。
Techcrunchの報道によると、DoorDashが収集した映像・音声データは、内部のAIモデルだけでなく、小売、保険、宿泊、テクノロジー業界のパートナーにも提供され、応用やテストに利用される可能性があります。これにより、データの価値はさらに拡大しています。
ギグエコノミーはAIデータの最良の育成場:Uberなども追随
DoorDashだけでなく、Uberも以前から類似の計画を試行しており、ドライバーが写真や録音データをアップロードして追加収入を得る仕組みを導入しています。InstaWorkは、作業者にヘッドセットを装着させて清掃作業の過程を記録させる取り組みも行っていました。さらに、ロボット企業のSunday Roboticsは、「動作捕捉手袋」を用いて人体の操作データを収集し、家庭用ロボットの訓練に役立てています。
この動きは、ギグプラットフォームが「データ収集ネットワーク」として機能し、広範なユーザーベースを活用して多様な現実データを迅速に取得していることを示しています。
コミュニティの熱議:AI訓練は「人間行動の商品化」時代へ
Task計画の公開に伴い、コミュニティ内でも議論が活発化しています。Banklessの制作者は、報酬を動機付けにして日常行動データを収集することは、ギグ労働がデータ生産へとシフトするトレンドを生む可能性があり、こうしたデータは自動化技術やロボット応用の発展にとって重要だと指摘しています。
DoorDashが自動運転技術企業と連携し無人配達サービスを展開し続ける中、効率向上、労働形態の変化、データ利用のバランスをどう取るかが、産業と社会の重要な課題となっています。
この記事「衣服を畳む動画を撮るだけで副収入?DoorDash Tasksが配達員のAI訓練を促進し話題に」は、最初に鏈新聞ABMediaに掲載されました。